Q:スペイン風の家を作りたいのですが、どのようにしたらいいでしょうか。

スペイン以外にも、世界各地には魅力的な建物がたくさんあります。そのような建物に住んでみたいとお思いになる方も多いと思います。こうした建物を、現地の工法、構造、材料を用いて日本で作ろうとすると、大変な努力が必要となります。また、日本では許可されないものもあると思います。しかし、工法、構造、材料は日本で今日使われている一般的なものを使用し、外観やインテリアだけをスペイン風などにするのはたいして難しいことではありません。本物ではありませんが、雰囲気は十分に楽しむことができると思います。

ただひとつだけ頭に入れておかなければならないことがあります。それは、世界各地にはその土地ごとに、それぞれの特徴ある建物が建っていますが、それらの建物は、その土地の気候風土に最も適した形で建っているということです。もちろん、建物の形を決めるのは気候風土だけではありませんが、それが最も重要な要素のひとつであることは間違いありません。このことを無視すると、住みよい家を作ることはできませんし、建物の寿命も短くなってしまいます。

スペイン風の家がご希望のようですが、スペインの建築は歴史的にイスラム建築の影響を強く受けています。イスラム建築は、中近東の砂漠地帯に生まれた建築スタイルがルーツになっています。当然のことながら、それは乾燥した砂漠地帯の気候に適した建物ということができます。ある意味では日本と対極の気候風土にある建物といえます。このことをまず念頭においてください。雨の少ない乾燥した地域の建物と、雨の多い日本の建物の違いを考慮して、家を作ることが大切です。

戻る