Q:セルロースファイバー系吹き込み内断熱充填工法にしようと思っていますが、充填された断熱材が室内に充満して健康を害する恐れがあると聞きました。どうなのでしょうか。

セルロースファイバーについてですが、私も使わなくてすむならば使いたくないというのが正直なところです。

ファイバー、すなわち繊維状の物質には発がん性の問題があるからです。現在使用できない材料にアスベスト(石綿)があります。アスベストの発がん性が問題になったためですが、アスベスト自体に発がん性があるのではなく、アスベストが細かい繊維になって飛散し、それを多量に吸うと肺がんになる恐れがあるからです。これはすべての繊維状の物質に言えることです。グラスウールも同様です。グラスウールを使用禁止にしている国もあると聞きます。

しかし、断熱材には繊維状のものが多く、壁体内に吹き込むものだとこのようなものが主に使われます。繊維状のもの以外でも吹き込み材はあるのですが、だんだんと下に沈んでしまい、壁上部の断熱性能が低下してしまう欠点があります。

また、セルロースファイバーは古紙の再生品ですので、印刷インキなどの化学物質が含まれていたり、防虫剤(ホウ酸)が使用されていたりします。石油化学系断熱材を使わず、このようなことを気にしていくと、使える材料は羊毛(ウール)のような自然素材だけになってしまいます。

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