Q:トップページの背景になっている図(地図?)について教えてください。

18世紀のイタリアの版画家・建築家であるピラネージの「古代ローマのカンプス・マルティウス」という書の中にある、「イクノグラフィア」という、古代ローマ時代のカンプス・マルティウス地区の復元地図です。

ピラネージは「牢獄の幻想的デザイン」という版画のシリーズで有名ですが、建築作品としてマルタ騎士団のためのサンタ・マリーア・デル・プリオラート聖堂(ローマ)があります。同時にピラネージは、古代ローマの遺跡調査を行うなど、考古学者としての一面を持っていました。その考古学上の成果の一つが「イクノグラフィア」です。

「イクノグラフィア」は実際の調査に基づいて作成されていますが、遺跡として発掘調査された部分はわずかで、大部分がピラネージの頭の中で復元されたものです。それゆえ、「イクノグラフィア」は考古学的資料としてよりも、芸術作品として高く評価されています。

「イクノグラフィア」は、多くの建築家を魅了し続けました。巨匠の一人であるルイス・カーンのデスクの後ろの壁に「イクノグラフィア」が貼られている写真があります。ルイス・カーンもこれに魅了された一人なのでしょう.

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