Q:家を新築するときに地下室を作りたいのですが、注意することがありますか。

現在、住宅の地下室は法的に優遇されていますので、狭い敷地などで面積を増やしたい場合にはとても有効です。そのほかにも、特殊な用途の部屋で地下に設けた方がいいものもあります。

地下室を作るためには、まず地盤調査をきちんとする必要があります。地耐力は勿論ですが、地下水の常水位の位置が重要です。常水位が高い場合には、地下室内への漏水を防ぐため、きちんとした防水処理が必要になります。常水位が低い場合にも、防水処理と断熱処理をする方が望ましいのですが、十分に常水位が低ければ、地下外壁のコンクリートの厚みを少々厚くし、土に接する部分に防水塗装などを施すだけでも問題は無いようです。

地下室で問題になるのは湿気の問題ですが、地下室付きの住宅をたくさん手がけている私の知人によると、市販の除湿機をひとつ設置すれば問題は無いとのことです。

室内への採光も問題になりますが、十分なドライエリア(空掘り)を設ければ問題ありません

地下室で一番問題になるのが、排水の問題です。地下部分に便所や水を使用する施設を設ける場合の排水や、ドライエリアの雨水の排水には注意が必要です。敷地が道路より高く、地下部分より公共下水道などが低い位置にある場合には問題ありませんが、公共下水道などの位置が高い場合には、ポンプアップして排水しなければなりません。集中豪雨などのときに、排水能力を超えてしまい、床上浸水事故が発生することもあります。それを防ぐためには、十分な能力を持った排水ポンプを設置することが大切です。また、排水ポンプの故障も考えられますから、必ず排水ポンプは2機設けることが必要です。敷地のある地域が床下・床上浸水が発生しやすい場所のときは、地下室は避けた方がよいかもしれません。

建設コストですが、鉄筋コンクリート造(RC造)の場合には、地下室を設けない場合と単価的に大差ありませんが、地下のみ鉄筋コンクリート造にし、地上部分を木造にする場合には、地下部分は地上部分の2倍くらいの単価がかかると考えてください

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